エンゲージメントサーベイとは?実施のメリットや質問例、注意点を解説
エンゲージメントサーベイとは、従業員の組織に対する愛着度や貢献意欲を測定する調査です。従業員のエンゲージメントを可視化することで、組織の課題を把握し、改善につなげることができます。組織力を強化するためには、現状の正しい把握が欠かせません。ここでは、エンゲージメントサーベイの基本的な知識と注意点、サーベイツールの選び方を解説します。
- エンゲージメントサーベイとは
- エンゲージメントサーベイの目的
- 組織課題の把握
- 離職防止
- 生産性の向上
- エンゲージメントサーベイのメリット
- モチベーションの維持向上
- 生産性向上
- 離職率の低下
- エンゲージメントサーベイの質問例
- エンゲージメントサーベイ実施の注意点
- エンゲージメントサーベイの実施目的を明確にする
- どのような数値が得たいのかを明確にする
- 従業員の理解を得る
- 従業員へのフィードバックを行う
- エンゲージメントサーベイツールの選び方
- 目的に叶っているか
- 操作のしやすさ
- 機能性
- エンゲージメントサーベイを企業力強化に役立てよう
1.エンゲージメントサーベイとは
エンゲージメントサーベイ(Engagement Survey)とは、従業員エンゲージメントを数値化して測定するための調査手法です。
従業員エンゲージメントは、組織内の従業員が仕事や組織にどれだけ熱心に取り組んでいるか、参加しているかを示す概念であり、個人と組織との精神的なつながりを表します。
エンゲージメントサーベイを通じて、従業員が組織に抱いている期待と現状のギャップや業務に対する意欲などを客観的に把握でき、組織の活性化につながります。
従業員に対するサーベイとしては、この他にも以下があります。
- パルスサーベイ
週・月・四半期ごとなど高い頻度で実施され、リアルタイムでの社内の状況を把握する手法です。即時的にフィードバックを提供し、組織が迅速に対策を講じるのに適しています。
パルスサーベイについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
「パルスサーベイとは?実施のメリットや手順、質問例を紹介」
- 組織サーベイ
組織全体に関する広範なテーマや、課題に焦点を当てた調査方法です。組織の健康状態・文化・戦略的方針などについての情報を収集し、企業の全体像を把握するのに役立ちます。
- 従業員満足度調査
エンゲージメントサーベイと特に混同されやすいのが、従業員満足度調査です。エンゲージメントサーベイは従業員が組織に対して抱いている愛着度や貢献意欲を測定する調査である一方、従業員満足度調査は従業員が仕事や職場環境にどれだけ満足しているのかを測定する調査です。従業員満足度調査を通じて、働きやすさを向上させるための施策を検討することができます。
エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査の違いは以下のとおりです。
項目 | エンゲージメントサーベイ | 従業員満足度調査 |
---|---|---|
調査 対象 |
組織に対する愛着度や貢献意欲 | 仕事や職場環境に対する満足度 |
目的 | 組織課題の把握、離職率の低下、生産性の向上 | 働きやすさの向上 |
質問 項目 |
組織の理念やミッションへの共感度、仕事のやりがい、上司や同僚との関係性など | 給与や福利厚生、職場の人間関係、仕事の量や内容など |
2.エンゲージメントサーベイの目的
エンゲージメントサーベイを実施する一般的な目的は、以下のようなものがあげられます。
2.1.組織課題の把握
エンゲージメントサーベイでは、従業員が組織に抱いている期待と現状のギャップを把握することができます。このギャップを分析することで、内在する組織の課題を特定できます。
2.2.離職防止
エンゲージメントの高さは離職率と関係しています。エンゲージメントサーベイの結果をもとに、従業員にとって望ましい施策を実行していくことで、エンゲージメントが高まり、離職率の低下が期待できます。
2.3.生産性の向上
エンゲージメントの高い従業員は、仕事に意欲的であり、成果につながりやすいと考えられます。エンゲージメントサーベイを効果的に使い、エンゲージメントが高められれば、自発的な行動や積極的な姿勢の従業員が増え、生産性向上が期待できます。
3.エンゲージメントサーベイのメリット
エンゲージメントサーベイにより期待できるメリットには、以下のようなものがあります。
3.1.モチベーションの維持向上
エンゲージメントの高い従業員は、仕事にやりがいを感じ、意欲的に働くことができます。
エンゲージメントサーベイの結果を分析し、従業員がやりがいを感じられる仕事内容を整備することで、従業員のモチベーションを高められます。
3.2.生産性向上
エンゲージメントの高い従業員は、仕事に熱心に取り組み、良好なパフォーマンスを示します。
エンゲージメントサーベイから得られた情報をもとに、従業員が能力を発揮しやすい労働環境を与えることで、生産性の向上を図ることができます。
3.3.離職率の低下
エンゲージメントサーベイを通じて従業員の意識が理解できれば、従業員が会社に貢献したいと感じられる環境整備が可能となり、結果的に離職率の低下につながるでしょう。
具体的には組織の理念やミッションに共感できる仕組みを整備する、サーベイ結果から不満を感じやすい点についての改善を図る、といった対策を検討することができます。
4.エンゲージメントサーベイの質問例
エンゲージメントサーベイの質問例としては、以下のようなものがあります。
組織への愛着度
- 会社の理念やミッションに共感していますか?
- 会社の将来に期待していますか?
- 会社で働くことに誇りを持っていますか?
仕事への熱意
- 自分の仕事にやりがいを感じていますか?
- 自分の仕事に誇りを持っていますか?
仕事の環境
- 上司や同僚との関係は良好ですか?
- 仕事の量や内容は適切ですか?
- 仕事に必要なスキルや知識を身につけるための機会はありますか?
5.エンゲージメントサーベイ実施の注意点
エンゲージメントサーベイ実施にあたっては、以下の点に注意が必要です。
5.1.エンゲージメントサーベイの実施目的を明確にする
エンゲージメントサーベイを実施する目的が明確でないと、結果の分析や改善策の立案につながりません。エンゲージメントサーベイを通じて何を知りたいのか、どのように役立てたいのかといった実施目的を明確にすることで、適切な分析や改善策への反映ができるようになります。
5.2.どのような数値が得たいのかを明確にする
エンゲージメントサーベイでは、従業員のエンゲージメントを測定するために、さまざまな質問項目が用いられます。質問項目は組織の課題や目的に合わせて選定し、可視化できる結果を得ることが重要です。
5.3.従業員の理解を得る
エンゲージメントサーベイの実施に先立ち、従業員から十分な理解を得ることが大切です。調査の目的と期待できる効果、アンケートの回答方法、データの活用、さらに個人情報の取り扱いについても説明し、理解をうながします。従業員の協力と理解がないと、サーベイによる正しい結果が得られない可能性があります。
5.4.従業員へのフィードバックを行う
従業員にフィードバックすることで、従業員は自分の意見が組織に反映されていると感じることができ、エンゲージメントの向上につながります。
フィードバックする際の注意点は以下のとおりです。
- 結果を正確に伝える
- 具体的な改善策を提示する
- 従業員の意見を尊重する
- エンゲージメントサーベイの結果がどのような施策に活かされるのかを開示する
6.エンゲージメントサーベイツールの選び方
エンゲージメントサーベイにより確実な成果を得るためには、以下のポイントを押さえながらサーベイツールを選ぶ必要があります。
6.1.目的に叶っているか
目的によって必要な質問項目や分析方法が異なるため、目的を明確にしたうえで、求める結果が得られるツールを選ぶことが大切です。
例えば、組織課題が「離職率の低下」であれば、上司や同僚との関係性、仕事のやりがい、キャリアアップの機会などに関する質問項目を重視するツールを選ぶ必要があります。
6.2.操作のしやすさ
エンゲージメントサーベイは従業員が回答するツールであるため、操作が簡単で、回答しやすいツールであることが求められます。
操作が複雑なツールの場合には従業員の回答率が低下する可能性があり、また回答が難しいツールの場合には従業員の意見が正確に反映されないケースも考えられます。
6.3.機能性
エンゲージメントサーベイを通じて、結果を分析し、改善策の立案を行います。分析機能や改善策の提案機能が充実しているツールを選ぶことで、効率的に適切な改善へとつなげられます。
加えて、分析結果のレポート作成機能や、従業員へのフィードバック機能なども備わっていると便利です。
7.エンゲージメントサーベイを企業力強化に役立てよう
エンゲージメントサーベイは、従業員と企業のつながりの強さを測る調査手法です。関係性の元となる各要素を数値化・可視化することで自社の現状が把握でき、エンゲージメント向上のための有効策を検討することができます。エンゲージメントサーベイから正しい結果を得ることは、企業力を根本から強化するのに役立ちます。
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人と人のつながりで組織を強くするエンゲージメントサーベイ|サンエムシステム