社員のココロに届く!従業員エンゲージメント向上の3つのポイント


社員のココロに届く!従業員エンゲージメント向上の3つのポイント

近年、従業員エンゲージメントが国内で注目され「従業員エンゲージメント向上」に取り組んでいる企業も多いことでしょう。人事の方々は従業員エンゲージメント向上施策のPDCAを日々回されているかと思います。

しかしながら、「従業員エンゲージメントが上がらない」といった声は多く耳にします。

確かになかなか上がりませんよね、、、

そこで、この記事では従業員エンゲージメント向上のための3つのポイントを紹介します。
皆さまのお役に立てば幸いです。

1.従業員エンゲージメント向上に必要な視点とは?

1-1.従業員エンゲージメントはサーベイを繰り返すだけでは向上しません!

従業員エンゲージメントを高めるために、多くの企業がサーベイツールを活用しています。
一般的に、従業員エンゲージメント向上施策を進める際、「立案 → 実施 → 効果測定 → 改善」のサイクルが重要であり、サーベイツールを使用して現状を把握し、スコア化することで施策のKPIを明確になり、効果測定ができるようになります。
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ですがその施策、届けたい社員のココロに届いていますか?

時には、社員から感じられるのは他人事のような冷めた反応だけ。私自身も、そんな辛い経験があります。

1-2.従業員エンゲージメントは従業員満足度とは大きく違う

ここで、より身近に感じられる「従業員満足度」について考えてみましょう。

「従業員エンゲージメント」と「従業員満足度」の違いとは何でしょうか?

従業員エンゲージメントは"従業員"と"会社や組織"との繋がりです。「信頼関係を基に、従業員が愛着を持って貢献したい」と思う感情とその認知です。

一方、従業員満足度は会社が社員に提供するものに対する満足度です。これは、かつて会社と社員の関係が主従関係であった時代に生まれました。

従業員満足度のような「会社から何かを提供すれば、社員が喜ぶだろう」というアプローチでは、社員は受け身になり、「指示待ち」の状態が増えてしまいます。言い方を変えると、「頑張らない。けど、この会社にずっといたい」という「ぶら下がり社員」が増えてしまいます。これは、終身雇用の時代が終わったと言われる現代において、適切ではありません。

2.従業員エンゲージメントの育み方

2-1.従業員エンゲージメントは、一人ひとりの社員側から発するもの

従業員エンゲージメントを向上させるためには、従業員満足度の向上だけでは十分ではありません。

従業員エンゲージメントの高い人は「自主性」「主体性」を持っていると言われますが、これらの要素は本質的に個人の内面から生まれます。会社のビジョンや施策を自分自身のこととして捉えることで、自主性や主体性が育ち、従業員エンゲージメントが向上します。

つまり

「社員一人ひとりの内面にアプローチすること」を意識して施策に取り組むことが重要です。

2-2.社員一人ひとりの価値観を受け入れる

では、どうやって一人ひとりの価値観にアプローチするのか?
そのためには先ず価値観を理解する必要があります。もちろんそれは簡単な事ではありません。

「多様性」「ダイバーシティ」「自分らしさ」というワードが飛び交う現代では、特に人事部門の方は社員の考え方を「理解しよう」としてらっしゃる事でしょう。その時は自分を基準にして考える事が多いと思います。基準である自分に対し、アノ人は何が違うのか?と。

ですが、本当に自分自身を理解していますか?自分の感情・心の動きを把握していますか?

従業員エンゲージメント向上施策を考える際、「こうすれば社員が愛着を持ってくれるハズだ」と効果・感情の動きを予想するかと思います。しかし、そもそもあなたは自分自身の感情の動きを予想できていますか?

人間には喜怒哀楽があり、心を揺さぶる感動があります。それは予め予想が付くものでしょうか?

思いがけない事で心が動かされ、感情が喜怒哀楽で表現される。それが「人間らしさ」だと思います。さらにそこに自分の価値観を踏まえた「自分らしさ」は、より複雑です。そして他人を理解することは、より一層複雑です。つまり自身の価値観・社員一人ひとりの価値観を理解することはとても難しい。

そこで私は価値観は「理解する」のではなく「受け入れる」ものだと考えます。

自分の心の動きを受け入れる事で「自分らしさ」が育まれ、他人を受け入れることで初めて他人と本当に向き合うことができ、「社員一人ひとりの内面」に触れる事ができるのではないでしょうか。

さらに従業員エンゲージメントを高める(愛着を持たない→持たせる)ためには、その当人でさえも予想できない心の動きを呼び起こす必要があります。

3.届けたい人に響く従業員エンゲージメント向上の施策

前述で従業員エンゲージメント向上の難しさを述べさせて頂きました。

そうなんです。ハナから価値観の違う大勢の社員の従業員エンゲージメントを向上させる施策を考える事が無理難題なんです。そこで従業員エンゲージメント向上の施策で注意すべきチェックポイントを3つ挙げさせて頂きます。

3-1.チェックポイント①「施策のターゲットを絞っていますか?」

社員全員に共感してもらう施策ではなく、ターゲットを絞れば施策を考えやすくなります。

A)解像度の高いペルソナを想定し、ピンポイントの施策を打つ。
対象となる人物像を詳細まで想定し、その人物像から共感を得られる施策を行います。年齢・性別・地域から、過去の業務の経験や体験、趣向や休日の過ごし方など出来るだけ細かく設定すると、その人物像がどのような価値観をもち、何に価値や愛着を持ちそうか想像しやすくなります。

B)部署やチームをターゲットにして施策を打つ。
Aの「解像度の高いペルソナを想定」の方法では、手間がかかりすぎる、、、その場合は、部門や部署といったチーム単位をターゲットにし、施策を考え行うのはいかがでしょう?人の集団がターゲットのため、一人ひとりに対しての効果は薄まってしまうでしょうが、それでも会社全体を対象にするよりは遥かに効果的です。

あるいはAとBを併用した、Aの会社を引っ張っていくべき世代や、将来を担う世代をターゲットに行う施策と、Bの会社の方針やビジョンに沿いこれから力を入れる部署をターゲットに行う施策のタテヨコ2軸からの施策も効果的かと思います。

3-2.チェックポイント②「信頼関係を大事にしていますか?」

自分に対して関心がない(と思える)上司や、良く知らない人事部門の人から、「会社に愛着を持て」と言われても困る、、、

どんなに素晴らしい施策を考えても、相手が聞く耳を持たなければその人のココロまでは届きません。先ずは土台となる信頼関係を育むことを念頭に置く必要があります。

信頼関係があってこそ、上司の話や会社の取り組みを理解しようと思えるし、会社や組織の理念やビジョン(に嘘偽りがないか)を信用し共感して、自分には何ができるのだろうという行動変容に繋がるのではないでしょうか?

3-3.チェックポイント③「それでもやっぱり固定観念に囚われていませんか?」

先に述べた通り、一人ひとりの価値観は違いますし、何に喜びや、やり甲斐を感じるを感じるかは人それぞれです。そしてそれを理解した施策を行う事は難しい、、、施策を考える側もまた一人の人間ですもの。

そこで、ちょっと発想を転換して「従業員エンゲージメント」を別の何かに置き換えて考えてみてはいかがでしょうか?

例えば「エンゲージメント」という言葉から連想できる"婚約"で考えてみると、

「婚約を結ぶために、いろいろなプレゼントをあげて満足してもらう」
これは社員満足度的な発想です。「みつぐ君」が将来幸せな結婚生活ができるでしょうか?それにもっとたくさん貢ぐ人(待遇の良い会社)が現れれば、そっちに心移りしてしまうでしょう。相手に好きになってもらう為に何をすればよいか、を考える。このように考えるとより身近に向上施策を考える事ができると思います。

また"販売戦略"に置き換えて「従業員エンゲージメント向上」を考えるのも良いかもしれません。
ユーザに選んでもらえる、価値を感じてお金を払ってもらえる商品を届けるためには、ターゲットとなるユーザーはどのような人物像か?どのようなモノを求めているのか?を考える必要があります。

ターゲットの年代により育ってきた環境も異なり、重視する価値観や消費行動も変わります。80年代のモノ消費から2000年代のコト消費、そして2010年代のトキ消費から近年のエモ、イミ消費。。。販売戦略ではターゲットを見定め、その価値観を把握しなければなりません。自分が良いと思ったものが、万人にも売れる商品とはならないない事は誰しも実体験があるのではないでしょうか。"販売戦略"に置き換えて考える事で、より自分の固定観念を払拭しやすくなるのではと思います。

4.Inc-Resuのご紹介

最後に製品のご紹介をさせてください。

サン・エム・システムでは、チームマネジメントサポートツール「Inc-Resu」をサービス提供しています。
Inc-Resuは従業員エンゲージメント向上のための機能として、次の機能を有しています。

①従業員エンゲージメントの測定ができる「エンゲージメントサーベイ」
従業員エンゲージメントをスコアとして可視化できます。可視化することで組織内の現状把握や、従業員エンゲージメント向上施策の検討に繋がります。従業員エンゲージメント向上には時間がかかるものですが、施策の実施前後でスコアを測り、その変化を見る事で、施策効果の測定や、次の施策の立案に役立てる事ができます。

②自分や他人の価値観の理解を助ける「エニアグラム診断」
エニアグラム性格論という理論に基づき性格のタイプを9つに分類し、それぞれの特徴や傾向が分かります。自分自身の性格や価値観、陥りやすい囚われを客観的に捉え、自分を受け入れることをサポートします。また周囲の人のエニアグラムタイプを知る事で、接し方やコミュニケーションが変わりお互いの理解を深めます。

③自身の状態チェックやセルフケアをサポートする「デイリーパルスサーベイ」
1回たった2分のサーベイ(アンケートや問診表のようなもの)で、日々の状態をチェックできます。また、他人からは見る事の出来ないメモも残せるので、日記のようにも使えます。過去の推移から自身の傾向を理解することができ、セルフケアや自己理解に役立ちます。また、デイリーパルスサーベイの結果はチーム内で共有でき、コミュニケーションのキッカケになります。

④チームメンバーのフォローや信頼関係を深める「フォローサポート」
デイリーパルスサーベイで落ち込んだメンバーがいた場合、リーダーあるいは人事担当にアラート通知が届きます。迅速なフォローを行うことで、メンタルダウンの予兆検知や悪化予防ができ、気に掛ける・掛けられるという繋がりが仲間意識、信頼関係をより強くします。

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