「シンギュラリティ」という舌を噛みそうな言葉を耳にすることが多くなりました。
「Singularity(技術的特異点)」とは レイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)が著書「The Singularity Is Near:When Humans Transcend Biology」で唱えた言葉で、「コンピュータが全人類の知性を超える未来のある時点」のことを指します。
カーツワイルは、OCR、スキャナー、シンセサイザー等を発明したアメリカの著名な発明家・実業家で、2005年に書かれたこの著書の中で、以下のような未来予測をしていて、これが結構あたっています。
<2010年代>
・コンピュータは小さくなり、ますます日常生活に統合される。
・多くのコンピュータ装置は、小型のWEBサーバとして使用され、それらのリソースは、計算のために利用される。
・高品質なブロードバンドインターネットアクセスは、ほとんどどこでも利用できるようになる。
・バーチャルリアリティの生成。ユーザの網膜上にビームの映像が投影される眼鏡の登場。これらの眼鏡は新しいメディアとなる。
・「VRメガネ」。さまざまな日常のタスクでユーザーを助けることができる「バーチャルアシスタント」プログラムを搭載したコンピュータの登場。
・バーチャルアシスタントは、複数の機能をもつことができるであろう。一つの有用な機能は、外国語で話される言葉は眼鏡をかけているユーザーへ字幕のように表示される。
・携帯電話は、衣類に組み込まれ、ユーザーの耳に直接音を投影することができるようになる。
<2015年>
・家庭用ロボットが家を掃除している可能性がある。
先に行き過ぎているものも勿論ありますが、カーツワイルの時代を捉える能力には、やはり凄いものがあります。(興味のある方は、この先の未来予測も調べてみてください。ちょっとSFチックになってきますが。。。)
著書の中では、2045年にシンギュラリティが到来すると予測しています。
想像してみてください。本当にシンギュラリティが到来すれば、ほとんどの労働は、AIを搭載したロボットによって行われ、人類は労働の必要が無くなってしまいます。
こうなると、社会や経済のあり方は根本的に変わってしまいますよね。
ま、実際は、そこまで行かないにしろ、今後、私たちは、うかうかしていると、AIに仕事をとられてしまうという危険性があるのは確かです。間違いなく「ただの作業者」は、AIに負けてしまうでしょう。
IT業界に身を置く私たちは、この進化のまん中にいる躍動感を味わいつつ、この先も人として必要とされる仕事をし続けなければなりません。
さて、このカーツワイルは、2012年にGoogleに入社し、2015年にはAI開発の総指揮をとっています。
同社のディープ・ラーニングやニューラルネットワーク、構文分析等の最先端技術を駆使し彼が実際にやっていることは、複雑な自然言語を理解する事-単なる言葉の羅列を理解するのではなく、その意味、主張を読み取ろうとするもの-です。
彼は、ハードなAI(人工物に意識や精神を生じさせることが出来るという考え方)の立場をとり続け、論理的知能を超えて、感情的知能にまでAIを到達させようとしています。
ブレずに進む彼のこの方向性が、つまりは、Googleの目指すAIの方向性といえるでしょう。
カーツワイルは、2029年には、このシステムが形になると予想しています。
これを「末恐ろしい」と言う人もいますが、私はそれをわくわくする何かに変えていくことに携わりたいと思っています。
~ Hassy Away ~
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