⌚ 2020/12/21 (Mon) 🔄 2024/3/20 (Wed)
自動車産業とITについて
私は10年以上前から客先である自動車業界でインフラエンジニアとして業務を行っております。
現場で仕事をしていて強く感じるのは、3~4年前くらい前から起きている
自動車業界における大きな変化です。
その変化とは、自動車とITとの急激な接近です。
自動車には、エンジンやミッション、ブレーキ、エアコン等の車自体を制御するために
コンピュータ(ECU)を搭載しており車とコンピュータは元々、密接な関係にありますが、
そのコンピュータの役割が自動車自体の制御以外にも周囲の状況把握や外部との通信
といった型で大きく拡大しつつあります。
ニュース等では、ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)
という単語を聞く機会が増えてきていると思います。
これは、自動車に搭載したカメラやミリ波レーダ等のセンサーを用いて周囲の状況を
認識しハンドルやブレーキ等の操作に関与して、ドライバーの操作を高度に支援する
機能です。
ADASの機能の代表的な機能であるACC(Adaptive Cruise Control System:
アダプティブクルーズコントロール)は流れに合わせて自動的に加減速を行い走行速度が
適切に保つ機能です。
周囲の車のうちどの車に流れを合わせ制御対象とするかの決定や、加減速を車に任せる
ことにより普段のドライバーの運転とのズレからくる「怖い」や「不快」と感じる感覚を
埋めるためにコンピュータによる高度な制御が必要になります。
ADASの機能が深化することで運転支援から完全に自立した自動運転に繋がります。
10年程前から登場したコネクテッドカーについても急速に高度化してきました。
車自体がIoT(Internet of Things:物のインターネット)の端末となり、
3G/4G回線や、今後普及が見込まれるより高速な5Gの回線を使用してクラウドと接続し、
自車の情報や周囲の情報をサーバに送信してシステム全体の精度を向上させたり、
「緊急通報システム」や「盗難車車両追跡システム」といったサービスを受けることが
可能になります。
まとめ
自動車業界は100年に一度の大変革期と言われています。
今後の車はここまで出てきたキーワードである、
「自動運転」、「クラウド」、「IoT」、「5G」更に「AI」といった
最新のIT技術を駆使した、最先端かつ高度な制御が不可欠となって行きます。
それらの最新技術に精通したIT技術者の需要が今後増々高まっていくのではないでしょうか。