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DX推進計画とは?企業が着実な変革にいたるための進め方とポイントを解説
DX推進は、今や企業の将来に関わる大きな課題となっています。DXは一部の業務にデジタル技術を導入すれば良いといったものではなく、企業活動全域に適用することで、企業そのものの在り方やビジネスモデルを変革することを目的としています。デジタル化やそれにともなう業務変更を多角的に進めていく必要があるため、総合的な推進計画がなければ実行できません。ここでは、DXを進めるにあたってどのような計画が必要なのか、どう進めていけば良いかに焦点を当てながら解説していきます。
- DXプロジェクトを立ち上げる方
- プロジェクトマネージメントに課題をお持ちの方
- DXに興味・関心をお持ちのビジネスパーソン
1.DX推進にあたっての計画の重要性
DXとは単なるデジタル化や最新技術の導入ではなく、それらを通じて組織としての在り方、業務遂行のプロセス、ビジネスモデルといった大枠に変革をもたらすことを目的としています。
DX推進では現状の課題をデジタルテクノロジーによっていかに改善し、企業成長力につながる改革ができるかが重要です。そのためには全体を俯瞰(ふかん)しながら進めていく必要があります。
一部の分野や部署にのみ技術を集中させるだけでは、本当の意味でDXの実現はできません。DXを進めるためには、話題性につられてツールの導入を行うといったやり方ではなく、全体最適の観点で計画を策定していくことが大切です。
DX推進計画を策定することによって、DXに関するビジョンの確立、中長期にわたる目標設定、リソースの適切な配分とリスク管理、プロセスの最適化やリーダーとチームの育成など、さまざまな面を明らかにできます。
自社の考えるDX実現に向けた計画の策定と、それにしたがった各施策の実施は、DXの成功に向けた不可欠なステップです。DX推進計画は、DXを進めていく中での方向性を常に見定めるための指針となります。
2.DX推進計画の策定から実行までの流れ
それでは具体的に、DX推進計画の策定の内容と進め方を解説します。
・ビジョンと戦略の明確化
DX推進計画の策定にあたり、はじめに行うべきことは、実施に向けた明確なビジョンの設定です。目標を明確に定めることで、DXの進捗状況をはかりながら正しい方向へと進められます。
また、全社がまとまってDXを推進していくためには、DX実現後にどのような姿であるべきかというビジョンを組織全体で共有する必要があります。DXが企業にもたらす変革や成果に焦点を当て、具体的にわかりやすい表現で示すことが大切です。
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・現状把握と課題の整理
具体的な計画を策定する前に、社内の現状を把握し、課題を整理していくことが必要です。現在のプロセス、システム、技術、人材スキルなどを評価し、DXの導入における障害や改善の余地を特定します。そのために、各部門や事業において、既存のITインフラ、業務プロセス、人材配置とそのスキルの状況などを確認しましょう。現状の評価にもとづき、デジタル化やテクノロジーの導入による問題解決を想定することで、具体的なアクションプランを策定できます。
・ロードマップ
DX推進に向けた問題を解決するために、ロードマップを作成していきます。DX推進プロジェクトのスケジュールを明示し、段階的な実行計画を策定します。各施策の開始日、進捗確認、完了日などを具体的に盛り込み、遅延が出た場合の対策についても検討しておくことが必要です。
施策の実施については定期的に進捗をチェックし、計画通り進んでいるかどうかを確認しましょう。早期に問題を発見し対処することで、DXの全体的な推進への大幅な影響を回避できます。
・プロセスの再設計
デジタル化に合わせてビジネスプロセスを再設計していく必要があります。デジタル化により得られた業務の効率性と生産性向上の効果を予測します。手動で行なっていた業務プロセスの自動化、新しいツールやシステムの導入、データの効果的な活用など、DXの進行にともなう各業務手順の変更や対応についても確認しましょう。
・推進体制の構築
DXプロジェクトを推進するためのチームを編成し、中心となるリーダーを選定します。関連する部門からのメンバーを集め、役割と責任を明確に与えましょう。また、必要に応じてスキルや知識を習得させるための教育プログラムを実施することも必要です。
・テクノロジーの選定
DX実現のためのビジョンや戦略に基づいて、必要なテクノロジーやサービス、ツールを検討・選定します。自社のニーズに合っているか、業務状況や現場の作業に無理なく対応できるかを見極めることが大切です。
既存データの効果的な活用が可能であること、セキュリティやプライバシー対応が適切に行われることも選定条件となります。
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・実行
DXの進捗と成果を定期的にモニタリングし、目標達成度を評価し、必要に応じて調整を行います。問題が発生した場合は早期に対処し、変更点や最新の情報を関係者に共有しましょう。
3.DX推進計画を成功させるポイント
DX推進を成功させるためのポイントとしては、以下のような要素があげられます。
3.1.経営者の強力なリーダーシップ
企業のDX推進においては、強力なリーダーシップがなければ中途半端に終わってしまう可能性があります。DXの根本を十分に理解したリーダーが推進役となり、単なるデジタル化で満足せずに最終的な目的の達成を目指すことが求められます。
そのためにも経営者はDXのビジョンを明確にし、組織全体にDX推進の方向性を示すことが重要です。経営者自らがDXに積極的参加姿勢を示して変革の推進をリードすることにより本気度が伝わり、組織内でのモチベーションが高まるでしょう。
3-2.DX人材の確保
DX推進には、デジタル技術に精通し、イノベーションに対する情熱を持つスキル人材が必要不可欠です。多くの企業がIT人材の不足を課題としており、それがDX推進を阻む要因となっています。
DX推進を検討するにあたっては、中核となれる人材の確保、および社内全体のDXスキル向上に向けた育成プログラムの実施が求められます。
3-3.効果検証
DXは短期で成し遂げられる取り組みではありません。進捗と成果を定期的にモニタリングし、効果検証と改善を重ねながら進めていくことが必要です。
可視化できる具体的な成果指標を設定し、プロジェクトがビジョンと一致するかどうかを都度評価することで、企業の目標に近づき、実質的な成果の得られるDXを実現しやすくなります。
3-4.業部門と情報システム部門の適切な連携
DXは組織全体に変革をもたらすものであり、一部の部門や分野だけでは完遂されません。事業部門と情報システム部門が緊密に連携し、ビジネスニーズを理解しながら、技術的な実装を行う必要があります。
4.まとめ:綿密な計画なくしてDX成功はなし得ない
DXは単なる技術の導入ではありません。テクノロジーによって業務がより良い方向に変化し、結果が統合されて組織全体に変革がもたらされることが、DXの実現であり成功であると言えます。企業内で多角的に進めていく必要があるため、しっかりとした計画がなければ実行は不可能です。DX推進計画を考えるにあたっては、自社にとって現実的であり、確実な事業効果が得られる計画の策定をすることが求められます。
実現可能であると同時に結果に結びつく計画とするためには、客観的な視点が必要ですが、自社のみでは難しい場合もあります。DXアドバイザーサービスはそうした企業のニーズに応え、業務の現状把握からDX戦略の策定やシステム化計画などについてのアドバイスを提供します。DX推進計画にお悩みの際はぜひご活用ください。
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【この記事を書いた人】
サン・エム・システムコラム編集部でございます。