⌚ 2023/9/13 (Wed) 🔄 2024/3/20 (Wed)
DX研修とは?未来に向けた企業成長の軸となる人材を育成するために
DX推進はすべての分野、業種の企業において、大きな課題となっています。DXを組織全体に浸透させるためには、従業員一人ひとりのITリテラシーを高めることが不可欠です。そのため、社内の人材を育てるためのDX研修の必要性がますます高まっています。今回はDXのカギとなる、DX研修の目的や内容、メリット、DX研修を効果的に行うポイントを解説します。
- DX研修の内容が気になる方
- DX推進に必要なスキルを知りたい方
- DX推進を担当したが、知識がなく進め方に悩んでいる方
1.DX研修の目的
DX研修とは、組織の従業員に対して、デジタル技術に関する知識やスキルを向上させるために実施するトレーニングプログラムのことを意味します。
DX推進には、新しい技術やツールの導入が必要です。デジタル技術を受け入れ活用するには、技術的にも心理的にもハードルが高く、DX推進を阻む要因の一つとなっています。経営層についてもデジタル技術を理解し、それをビジネスに生かしていく素養が求められます。
DX研修を実施する目的は、DX推進において求められる知識、技術への理解を組織全体で深め、柔軟に活用できるようにすることです。DXを着実に進めるためには、中核となって進めるDX推進者はもちろんのこと、経営層や従業員一人ひとりのスキルアップが必要です。
DX推進の中心となるDX人材について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
DX人材とは?求められる役割や必要とされる理由、人材確保の方法
2.DX推進に必要なスキルや知識
DX推進にあたり求められるスキルや知識について解説します。
DX推進における立場によって、必要な知識やスキルはさまざまです。
➤デジタルリテラシー
まずはデジタル技術や汎用(はんよう)性の高いツールの基本的な知識の体得が必要です。
DXの進展に伴い、組織内でデジタルツールやプラットフォームを使用する機会が増えています。
コミュニケーションや業務プロセスの進行などあらゆる場面において、基礎的な知識に精通している必要があります。
➤最新技術への知見
AI、IoTなど、新しい技術はすでに多方面で活用されています。
技術は日々進化しており、最新のトレンドや技術動向について常に把握しておく必要があります。
特にDX推進者は、自社への適用の可能性を探り、具体的な提案ができる力が必要です。
DXに活用される技術の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
DXにおける技術の種類とは?課題解決に役立つ情報を解説
➤データ分析スキル
データは現代ビジネスにおいて貴重な資産です。
収集されたデータから価値ある情報を抽出し、それを意思決定や戦略策定への活用を促す役割を担います。
➤ベンダーマネジメントスキル
DX推進には、外部ベンダーやパートナーとの連携が必要なこともあるでしょう。
DX推進者にとってベンダーを適切に選定し、マネジメントするスキルは、効率的なプロジェクト進行には不可欠です。
➤デジタルマーケティングスキル
デジタルチャネルを活用したマーケティングは、現代のビジネス成功において大きな要因となります。
デジタルマーケティングスキルを持つ人材は、消費者や顧客に対して効果的なメッセージを送り、顧客エンゲージメントと売り上げの向上に貢献します。
➤プロジェクトマネジメントスキル
DX推進者に必要なスキルです。DXプロジェクトは多くの人員がからみ、複雑で長期にわたる場合もあります。
スケジュールの管理、リソースの調整、リスク評価などを行い、プロジェクトの円滑化を図ることが必要です。
➤情報セキュリティに関する知識
クラウドやIoTなど、オンラインを多用するデジタル環境での活動は、これまで以上にセキュリティリスクにさらされます。
一人ひとりがセキュリティに関する基本的な知識を持ち、データ漏えいやサイバー攻撃から組織を守る対策を学ぶ必要があります。
DX推進におけるセキュリティリスクについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
DX推進におけるセキュリティリスクとは?課題と対策のポイントを解説
3.DX研修で学ぶ内容
DX研修で学ぶ内容は、主に「全従業員向け」と、「DX推進者向け」の2つに分けられます。
3-1.全従業員向けのDX研修
➤IT技術動向
最新のテクノロジートレンドや、IT業界の動向について学びます。
クラウドコンピューティング、AI、ブロックチェーン、IoT、ビッグデータなどの最新技術や、企業において重要な技術に関する基本的な理解を深めます。
➤データ分析
データの収集、分析、洞察の基本的なスキルを学びます。
データの扱い方や、データから価値を引き出す方法を理解し、企業活動に活用するための能力を取得します。基本的なデータ分析ツールの使い方や具体的手法といった実践スキルも含まれます。
➤DXの基礎
DXに関連する基本的な概念や用語を理解します。
DXの目的や価値、変革のプロセス、デジタルツールの導入方法などについて学びながら、組織内でDXの重要性を認識し、その推進に対する理解を高めます。
➤情報セキュリティ基礎
情報セキュリティの基本的な原則や、脅威への対策について学びます。
セキュリティリスクへの具体的な対処方法やセキュリティ意識の醸成に関する知識を身につけ、組織内のセキュリティを強化するために役立てます。
3-2.DX推進者向けのDX研修
➤DXモデリングの基礎
DX推進において、必要となるフレームワークや分析手法、プロジェクト計画、実装するための基本的なモデリング手法を学びます。
プロセスマッピングやユースケース図、フローチャートなどのモデリングツールを使用して、ビジネスプロセスの改善や効率化を支援するスキルを習得します。
➤発注者のためのベンダーマネジメント
外部ベンダーやパートナーとの関係を構築し、効果的にマネジメントする方法について学びます。システム開発を外注する際のベンダーの選定、契約管理、コミュニケーションの重要性、成果物の監視など、プロジェクトやサービス提供の成功に向けて必要なスキルを身につけます。
4.DX研修を実施するメリット
DX研修を実施するメリットについて、以下で解説します。
➤人材育成をスピーディーに行える
急激な市場の変化に対応するためには、一刻も早いDX推進が急務であり、人材育成のスピードを加速させる必要があります。DX研修の体系的、計画的な実施によって、従業員全体のスキル強化を効率的に実現でき、推進体制を早期に整備することができます。
➤DXに関する知識を体系的に学べる
段階を追った研修によって、DXという考え方を正しく理解したうえで、より深い知識の習得がスムーズに行えます。
➤イノベーションと創造性の促進
新しいテクノロジーやデジタル手法を学ぶことで、既存の枠組みを超えて新しいアイデアやアプローチを考えることができるようになります。異なる分野の知識を組み合わせたり、データを活用して洞察を得たりすることで、革新的なソリューションが生まれ、チーム全体の創造性が刺激されるでしょう。
➤DXに対するモチベーションのアップ
DXは単なるデジタル技術の導入ではなく、組織全体の枠組みやビジネスモデルの変革であることを理解し、その必要性や効果を知ることができます。DXの真の目的を意識し、推進に向けたモチベーションアップに役立ちます。
➤業務プロセスの効率化やコスト削減につながる
DX研修によって技術やシステムに対する理解が進むと、新たなテクノロジーを受け入れられやすくなり、日々の業務プロセスの効率化が進めやすくなるでしょう。業務上のミスや失敗を軽減でき、最終的なコスト削減に貢献します。
5.DX研修を効果的に行うポイント
DX推進に欠かせない人材育成にDX研修を活用するポイントを解説します。
➤研修後のフォローを充実させる
研修後も知識やスキルを定着させ進化させる必要があります。eラーニングや自主的に参加できるセミナー開催、追加の研修など、くり返し学べる仕組みを提供し、研修後のフォローを充実させましょう。
➤役割・レベルに応じた研修の受講
DX推進の中心となる立場、各部署の担当者など、DX推進にどこまで関わるのかによって受講する内容を決めましょう。
知識のレベルにも配慮する必要があります。初心者にはそもそもDXが何を目指すものなのかという真の意味をかみくだいて理解させる必要があります。
そこから各段階を追って、DXへの理解を深め、より具体的な学びを得られる受講内容とすることが大切です。
➤DX推進計画とのマッチング
自社のDX推進計画に合わせ、どのような人材がどの程度必要とされるのかを明確化し、充足できるDX研修を実施することが重要です。研修の大きな方針を決め、着実な成果を得られるカリキュラム構成とすることが求められます。
まとめ:DX推進にはDX研修で組織全体のスキル向上を図ることが大切
DXを効果的に進めるためには、DX研修の実施が重要な施策となります。
従業員一人ひとりがDXに必要な知識を身に付け、デジタル技術を効果的に活用できるようになることで、企業の体制やビジネスモデルに革新をもたらす土台ができるでしょう。組織全体のDXを加速させ、新たな成長の機会を得ていくためにも、組織全体でDX研修に取り組むことが必要です。
一方で、DX推進の状況や社内のレベルは企業によって異なります。DXに向けて着実に体制を固めていくためには、自社の実情に合った研修の実施が求められます。
社内の人材育成、レベルアップをご検討の際は、当社の研修サービスをぜひご活用ください。