デジタル技術を活用してビジネスや生活を変革することを目指すDXは、競争上の優位性を確立するために、多くの企業が取り組んでいます。
DXにはデジタル技術を活用した新たなツールやシステムの導入が不可欠ですが、その種類や用途はさまざまです。
本記事では、DXで導入すべきツールの種類やツールを選ぶ際のポイントなどについてまとめます。ツールを検討する際の参考にしてください。
- 業務効率化の為のツール選定にお困りの方
- 効果的なマーケティングツール選定にお困りの方
- DXツールを選定する際に注目する観点を知りたい方
1.DX推進に新たなツールが必要な理由
DXを実現しなければ、ビジネス環境の激しい変化に対応し、競争上の優位性を確立することは難しい時代になりました。ビジネスに大きな変革を目指すDXは、個々のプロセスにおいてもさまざまな変化をもたらします。既存のツールではこれに対応するのは難しいでしょう。これまでのプロセスに合わせた仕様になっているためです。
DX推進を円滑に行うためには、既存のツールに固執することなく、柔軟性を持って新しいツールを選択・導入していくことが必要です。DX推進に役立つツールは「DXツール」と呼ばれています。
2.DX推進に役立つツール
DXツールはすでに多くの場面で活用され、さまざまな効果を生み出します。ここでは代表的なツールについて紹介します。
2-1.業務効率化
業務効率化に用いられるツールには次のようなものがあります。
プロジェクトの効率的な管理には、プロジェクト管理ツールが役立ちます。進捗管理やスケジュール管理、タスクの割り当て、情報共有などを容易にし、プロジェクトの円滑な進行を助けます。
契約書の情報を効率的に管理できるツールです。紙の契約書の電子化をはじめ、台帳管理、契約書の検索、更新時期の通知などの機能を持ちます。
電子契約を行うためのツールです。電子契約とは、紙ベースの契約と異なり、デジタルファイルで作成された契約書に、電子署名やデジタル署名を行い締結される契約形態です。紙代や印紙代、郵送代などのコストを削減することができます。
EDIツールは、注文書や請求書、配送通知、在庫情報など、企業間の取引で頻繁に使用されるさまざまな文書を電子的に交換するためのツールです。安全かつ迅速な文書のやり取りが可能で、ペーパレス化にも役立ちます。
オンライン上で金融取引ができるシステムです。銀行に行かずに残高照会や振込などの手続きを完了させることができます。窓口で行う振込よりも手数料が安いというメリットがあるほか、会計ソフトに連携しやすいため業務効率化が期待できます。
チャットツールは、メールよりも簡便なコミュニケーションの手段、主に社内のコミュニケーションで利用されます。ファイル共有やグループチャットなどの機能があり、効率的に情報共有が可能です。
Web会議システムとは、直接顔を合わせることなく社内外の相手と会議を行なえるツールです。場所にとらわれずに会議が実施できるため、意思決定の迅速化にも効果があります。資料の共有やレコーディング機能などがあり、効率的な会議運営を助けます。
2-2.マーケティング
次に、マーケティングに役立つツールを紹介します。
・CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)ツール
CRMツールでは、顧客の基本情報や取引・コンタクト履歴など、顧客に関するさまざまな情報を一元管理できます。営業活動の効率化だけでなく、新商品・サービスの開発に必要な顧客ニーズの掘り起こしにも活用されます。
・SFA(Sales Force Automation:営業支援)ツール
営業活動を支援するツールです。顧客情報や商談の内容などの管理や営業日報、予実管理など、営業活動全般の効率化に役立ちます。
・MA(Marketing Automation)ツール
MAツールは、見込客の獲得から育成、商談化までのマーケティング活動を効率的・自動的に行えるツールです。獲得した見込客の情報を元に、顧客の状態に応じた適切なマーケティング施策を実施することができます。
・BI(Business Intelligence)ツール
組織内に存在する膨大なデータを収集し、分析して洞察を得るためのツールです。ビジネスの意思決定や戦略策定に役立つ情報を可視化し、適切な判断を支援する役割を果たします。
商品やサービスの販売活動を支援するためのツールです。注文処理、在庫管理、顧客管理などの販売に関連するプロセスを効率的に実行できます。
・CMS(Contents Management System)
Webサイトやデジタルコンテンツを管理・配信できるシステムです。Webやプログラミングの専門知識がない場合でも、さまざまなテンプレートの活用と簡単な操作で効率的なコンテンツ運用が可能です。
Webサイトやアプリを通してのユーザー行動を詳細にモニタリングし、データを分析するためのツールです。ユーザーのオンライン上での行動を把握し、ユーザー行動の改善策を立てることができます。
クラウドプラットフォームは、インフラやサービスをクラウド上で提供します。拡張性や柔軟性に優れていて、アプリケーションのデプロイ(配置)や運用を簡素化できます。
ソフトウェア開発プロジェクトの効率性と品質を向上させるために重要なツールです。ソースコードの更新情報を管理し、コードの上書きや競合を防止します。
弊社、サン・エム・システムでは、お客様のニーズにあった適切なDXツール選定や人材育成などDXに関する幅広い支援を行っています。DXに課題をお持ちの際は、ぜひご相談ください。
3.DXツールを選ぶ際のポイントと注意点
DXツールを選定する際に考慮すべきポイントと注意点について解説します。
3-1.DXツールを選ぶ際のポイント
DXツールを選定する際は、組織のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。以下に、DXツールの選定ポイントを解説します。
DXツールは自社の課題を解決できるものを選びましょう。そのためには、まずは自社のDXの目的を明確化し、それらを達成するために解決すべき課題を把握する必要があります。課題を把握することでそれを解決するために必要な機能が見えてきます。必要な機能がわかると自社に最適なDXツールを選ぶことができるでしょう。
組織のニーズに合わせてカスタマイズが可能なツールが望まれます。業務プロセスは組織・部署によってさまざまです。それぞれの業務プロセスに合わせて柔軟にカスタマイズできることが重要です。
ツールを使用する人によってスキルは異なります。業務に関わる人が理解しやすく、使いやすいことは、導入後のスムーズな運用につながります。無料版やトライアル版を利用して、使いやすいツールであるか事前に確認を行うといいでしょう。
既存のシステムやツール、導入を検討しているツールとの連携がスムーズに行えるかどうかは重要です。シームレスなデータのやりとりやプロセスの統合ができないと、DXツールを導入しても無駄な手間を増やす可能性があります。現在の業務プロセスやシステム・ツールを洗い出し、データ連携が可能かどうか、確認することが必要です。
将来的な企業の成長や事業の拡大、およびシステム規模の変化などに対応できるかどうかも重要です。利用者の人数や業務量の増加への対応や、機器やソフトウェア、システムなどの拡張が容易であるかどうかを確認しましょう。
自社のセキュリティ要件を満たしていることも確認しましょう。DX推進には、データの漏洩、不正アクセスなどのリスクに対する備えが不可欠です。データセキュリティとプライバシー保護を十分に考慮した、信頼性の高いツールを選ぶ必要があります。 ・投資と効果とのバランスが適正か どんなに機能性や利便性が充実したツールであったとしても自社に合ったコストのツールを選択する必要があります。投資が将来的な収益やコスト削減にどれだけ貢献できるかを考慮しましょう。
ツール導入後のサポート体制が充実しているかは社内にツールを定着させるための重要な要素のひとつです。導入研修や問い合わせ窓口など導入後の支援が充実しているかを確認しましょう。
ベンダーの実績や評判は、ベンダーのサービス品質を示す指標です。実績豊富で評判が高いベンダーは、多くの顧客に支持されており、さまざまなケースに対応できる信頼できるベンダーと言えるでしょう。
3-2.DXツール選びの注意点
DXツールはそれを使いこなせる人材がいなければ効果を十分に発揮できないでしょう。DXツールを導入したものの使いこなせず、むしろ業務負担が増えてしまう可能性もあります。それを避けるためには、DXツール選定と同時に、組織全体でデジタル技術に関する知識やスキルを持った人材を育成することが不可欠です。
デジタル技術の理解には、DX研修の実施が有効です。 DX研修について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。
まとめ.DXを成功させるには自社に合ったツール選定が大切
DXツールは、さまざまな種類がありますが、導入しただけではDXは実現しません。導入する際には自社の課題を明確にし、それらを解決できるものを選ぶことが大切です。また、DXツールを使いこなせる人材を育成することも重要です。適切なDXツールの選定と人材育成の両輪で進めることで、DX推進はその効果を最大限に発揮できるでしょう。
弊社、サン・エム・システムでは、お客様のニーズにあった適切なDXツール選定や人材育成などDXに関する幅広い支援を行っています。DXに課題をお持ちの際は、ぜひご相談ください。
【この記事を書いた人】
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