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テスト収束の予測
はじめに
予測系の指標として成長曲線が用いられ、代表的なものに、ゴンペルツ曲線(Gompertz curve)
とロジスティック曲線(Logistic curve)があります。
インターネットが外部と繋がっている環境では、ツールや計算サイトを利用可能ですが、
お客様の環境によっては、外部への接続を遮断された環境や、セキュリティのルール上
ツールのダウンロードが制限されている環境で開発することがあります。
そのような環境では自力で計算する必要があるので、ここに掲載し、その考え方を解説します。
考え方
実測データが有るとき、をで変換しを常用対数に変換する。
A,Bを下記数式で計算しておくと、
で算出できる。また、実測データがN個ある場合、N番目のデータをとすると
でゴンペルツ曲線を使って予測が可能です。
ロジスティック曲線は解法が難解になるので、ここでは、ゴンペルツ曲線で予測する
ことにします。
ゴンペルツ曲線の両辺の常用対数を取ります。
A,Bが決まれば予測線を引くことができます。実測データが有るとき、
ととの差が0になるAとBが見付かれば、ゴンペルツ曲線と一致します。
データ数がn個あるとき、誤差は、の総和になりますが、
このままだと、プラス誤差とマイナス誤差で相殺されてしまうので、
2乗して誤差の大きさが0になることを考えます。
即ち、誤差が最小誤差になるAとBを求ます(最小2乗誤差)。
誤差Eが最小になるのは、微分して0になるときで、求めたいのはAとBなので、
誤差EをAとBでそれぞれ偏微分して0になることをます。
AとBの連立方程式となるので、これを解くと
A=logK、B=logbと置いたので、で、Kとbが計算できる。
cについては、X=-1の時を考えると
は、実測値がn個あるとき、n番目の値を使います。
以上から、K,b,cを使って、実測値n番以降を、X=0以降から予測値が算出可能となります。
ゴンペルツ曲線はKに向かって収束していくので、実績からどの位で収束するのか、
また、収束するのにどのくらい時間が掛かるのかを予測することができます。
終わりに
また発散する場合や、傾きが緩やかで収束まで時間がかかる場合は対策が必要になりますが、
そればまた別の機会で。