⌚ 2020/6/22 (Mon) 🔄 2024/3/20 (Wed)
「【エッセンシャル版】マネジメントーー基本と原則」を読む (1) 前提とする組織の定義
こんにちは、
プロジェクトを預かる皆様、プロジェクトに参画する皆様、いかがお過ごしでしょうか?
ところで、マネージャーとはなんでしょう?
manage + -er であることから manage する者、 management を行使する者です。
一般的な企業では次の2つの肩書きをよく聞くと思います。
- 管理職
- プロジェクトマネージャー
では、マネジメントとは何でしょう?
マネージャーはいったい何をすればよいのでしょう?
普段、狭い範囲の周りを見て経験的でなんとなくしているマネジメントを改めようと思い、
「マネジメントの父」P.F.ドラッカーの著書
「【エッセンシャル版】マネジメント――基本と原則」を読んで考えていきます。
組織の定義
マネジメントという語の定義の前に、組織について考えます。
組織と聞いてどのようなものを思い浮かべるでしょうか?
組織図の言葉から、企業を挙げると思います。
他にどんなものがあるでしょうか?
「組織図」で検索した結果、現れた種類を挙げます。
- 政府
- 地方公共団体
- 教育機関 (学校法人)
- 医療機関 (医療法人)
- 企業 (営利法人)
- ...
挙げるとキリがないないのでまとめると、組織は法人であるといえます。
組織図に似たものに体制図があります。
組織を動かすためにどのような役割を誰が担っているのか明らかになっているものです。
「体制図」での検索では、プロジェクトが大半です。
先に挙げたものに比べて規模を小さく感じてしまいますが、プロジェクトも組織の1つ
と考えます。
ここから、組織を説明するために、法人とプロジェクトに共通する項目を考えます。
まずは、「集団である」点です。これには異論はありませんね。
次に、「目的がある」点です。先ほどの例から考えます。
政府は順当に考えて「国民の生活を豊かにする」ことが目的ですね。同様に地方公共団体も、
「管轄の地域区民の生活を豊かにする」ことでしょう。
教育機関、医療機関はそれぞれ「教育を提供する」、「医療を提供する」ことです。
企業を飛ばして、先にプロジェクトを考えます。プロジェクトには常に「既に発生している、
あるいは発生が予見されている課題」が背景にあります。この「課題を解決する」ことが
プロジェクトの目的です。
例えば、 ネットワーク仮想化技術の研究開発[1] では、背景の1つに次のような「ネットワーク利用者及び構築者に対する改善」という目的がありました。
クラウドサービスの利用拡大、スマートフォンの普及、センサ情報の活用等の進展に伴い、
より柔軟なネットワークの構築や制御を実現する基盤技術として「ネットワーク仮想化技術」の
確立が求められている。
最後に企業について考えます。
企業の目的を聞かれたとき「利益の極大化」と回答する方が多いイメージですがどうでしょうか?
確かに、各々のお勤めしている企業内においてはそうかもしれません。
では、「利益の極大化」を目的とする企業を外から見たとき、どのように映るでしょう?
そうです、皆さんが消費者であるときの視点ですね。
このとき、その企業が何をしているのか分かりません。
「何を為して」利益の極大化をしているのかは明らかになっていません。
つまり、消費者にとっての利点、消費者から見た企業の目的が明らかになっていないのです。
では、消費者にとって企業の目的と呼べるものは何でしょうか?
消費活動、購買のシーンを振り返ってみましょう。
何かを購入するとき、意識するかどうかにかかわらず、比較と選択をしています。
例えばスマートフォンを購入するとき、以下に挙げる項目を確認して、自身の要求にあったものを選んでいるでしょう。
- メーカー
- 処理性能
- ディスプレイ解像度
- カメラ
- おサイフケータイ
- ワイヤレス給電
- ...
スマートフォンを例にしましたが、全ての購買に対して同じことが言えます。
つまり、企業は消費者の要求を満たしているのです。
消費者から見た企業の目的は「消費者の要求を満たす」ことといって差し支えないでしょう。
以上のことから、ここでは組織を「誰かに対して何かを提供する集団」とします。
終わり
ここでは、普段組織と呼べるものを集め、共通する特徴を捉え、組織を「誰かに対して何かを提供する集団」としました。
次回は、組織の資源と利益について考えたいと思います。
シリーズ一覧
- 「【エッセンシャル版】マネジメント――基本と原則」を読む (1) 前提とする組織の定義
- 「【エッセンシャル版】マネジメント――基本と原則」を読む (2) 組織の資源と利益 (予定)
- 未定
(脚注) 1. 総務省 ICT重点技術の研究開発プロジェクト(平成25~27年)